人の心配ばかりしているあなたへ

    投稿日:2013-11-11投稿者:

    こんにちは。
    スポーツドクターの辻秀一です。

     

    「自己中ではないのですか?」

    ライフスキルのことを教えていると、
    たまにこのようなご質問というか、
    反論のようなものを頂きます。

    わたしが「まずは自分の心を大事にしましょう」
    と言っているからだと思います。

    先日もこのようなご相談を頂きました。

     

    部下を持つ管理職の方なのですが、
    部下の 1 人がうつ病に
    なってしまったというのです。

    現在は病院に行き、薬をもらうなどの
    対処をしているとのことでしたが、
    上司として何もできない状況が
    もどかしい、と言うのです。

    何かしてあげたいが、
    どうしたらいいですか、
    というご相談です。

     

    「どうしたらいいか?」という点は、
    ライフスキル脳の役目ではありません。

    認知脳の役目です。

    ただしこの場合、
    ちゃんと医者に見てもらっているので、
    正直、何もできることはないでしょう。

     

    それでも不安なんです、とおっしゃいますが、
    それは相手に心が持っていかれています。

    自分自身の集中力やパフォーマンスは
    落ちてしまいますし、いくら心配した
    からといって、部下の状況が改善される
    わけでもありません。

    上司としてできることは、
    部下の早期回復を願いながらも、
    自分自身の心がその出来事に
    持っていかれることなく、
    日々の仕事に全力を注ぐことでしょう。

     

    このような話をすると、
    自分のことばかり考えて
    相手の事はどうでもいいのですか?

    というような反論をしばしば受けます。

    それを自己中心的だと感じる人がいるようです。

    確かに、感情的に心配になるのは分かります。
    何かしてあげたいと思う気持ちも理解できます。

    それを否定しているわけではありません。

     

    ただし、自分に何ができるのかを考えると、
    現実的に部下のことは医者や専門家に
    任せるしかありません。

    心配するのはいいのですが、
    それに四六時中とらわれてしまい、
    やるべき事がおろそかになっては、
    本末転倒です。

    あいてもそれは望んでいないでしょう。
    周りにも迷惑がかかります。

     

    厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、
    他人のことを気にかけているようで、
    結局は誰のためにもなっていないのです。

    自分にできることを一生懸命やる、
    それが相手のためにもなるということに
    気付いてほしいと思います。

     

    ライフスキルは、行動をする前の
    自分づくりに関するスキルです。

    「何をするか」を決めるのは
    認知脳の役目です。

    何が適切な行動なのかは、
    学んだことや経験したことや、
    専門家のアドバイスなどに基づいて
    認知脳をフル回転させ、
    判断していって欲しいと思います。

     

    しかし、多くの人は
    その行動を高い質で行えません。

    判断力や集中力を欠いたり、
    いつも通りの能力を発揮できずに、
    後悔ばかりしてしまうのです。

    ですので、まずは 1 つ 1 つの行動を
    高い質で行えるような自分になることを
    大切にしていきましょう
    と、ご提案しているわけです。

     

    自分を大事にし、
    自分の心を自分で整えていければ、
    それがあいてのためにもなるのです。

    不機嫌なあなたや、
    イライラしたあなたより、
    ごきげんなあなたでいる方が、
    あいてのためだと思いませんか?

     

    ぜひ、自分を大切にして欲しいと思います。

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